応援メッセージ
鹿児島に県立の美術館を
古木 圭介
元鹿児島県観光プロデューサー
私は半世紀以上にわたり 「観光」の仕事に携わってきました。 20代、30代の頃は主にヨーロッパ諸国をめぐる旅を企画し、自ら添乗員として名所旧跡や大自然、 世界遺産などに触れる機会を数多く得ました。 日本の観光ルートにはあまり、いえ全く入ることがないのですが、ヨーロッパの都市では観光ルートに美術館が必ずと言っていいほど組み込まれていました。 同行したお客様の中には、日本では一度も美術館など行ったことのない方々が数多くおられました。 当時は、 海外旅行と言えば、ゴールデンルートのパリ、ロンドン、 ローマなどが主で、 訪問地はエッフェル塔、 凱旋門、 パッキンガム宮殿の衛兵交代などでした。それに加えてルーブル美術館やオルセイ美術館、 大英博物館なども入っていました。 昔、教科書で見た絵画を生で見ることで大感激をして、それからというもの大の美術ファンになった方々も数多くいました。
これはマドリードにあるプラド美術館に入ったときのことですが、床に十数名の幼稚園の子供たちが1枚の絵の前に輪になって座り、先生からその絵の説明を聞いていました。 子供たちが実にお行儀よく、静かに先生の話に耳を傾けている姿に感動を覚えました。 純粋な子供だからこそ絵のすばらしさを感じているのかもしれません。 幼いころから、本物の美術に触れさせる教育は、豊かな心を育み、文化を大切にする国民に育っていくだろうと感じました。
戦後、日本は経済成長だけを夢見て 「金儲け」に血眼になって働いてきました。 そのおかげで経済的には世界の先進国のトップを走る経済大国になったのです。 その結果、 なんでもお金に換算して価値を図ることが身についてしまいました。 子供たちにもそんな精神が浸透する怖さを感じます。
これからは、心の豊かさも磨かなくては世界の知的先進国には仲間入りできないのではないでしょうか。 そのためには、身近に美術館やギャラリーがあることが必要でしょう。 皆さんの思いが、時のトップリーダーに届き、鹿児島に知的で感性のある県民を育む場所ができることを期待しています。
文明が人を創る
榎木 孝明
俳優、水彩画家、武蔵野美術大学校友会鹿児島支部会員
文化は人を創り育ててくれます。 県民の為、 特に子供達の為の芸術鑑賞の場である県立美術館の建設を望みます。
親子で一緒に
ものづくりを楽しめる美術館に
西田 聖志郎
俳優、プロデューサー
「えっ!? 鹿児島には県立美術館がないのかぁ…」 この会のチラシを目にした時に、心の中で呟いた一言です。 ここは県民の熱でもって設立を実現するしかありませんね。
一つご提案。 是非とも鑑賞するだけではなく、 体験型の美術館にしたいものです。 物づくり体験コーナーを常設するのはハードルが高いでしょうから 小中学生の夏休みとか春休みにイベント的に開く環境が整った、 子供と大人が一緒になって物づくりも楽しめる美術館が出来るといいですね。
創造性をはぐくむ鹿児島へ、
県立新美術館を
国吉 直行
都市デザイナー、横浜市立大学客員教授、
かごしま・ひと・まち・デザイン賞審査委員
今、世界の多くの都市では、都市の創造活動を通じた新しい魅力形成と都市発展、市民文化向上などに力を注いでいる。 かつての産業成長政策一辺倒の都市は少なくなっている。 私は、鹿児島での高校時代の美術の授業で、映像で見せていただいた丹下健三設計の高等学校建築に触発され、 そこから、大学で建築設計を学び、著名建築家の事務所でも学んだ。 さらに地域の個性づくり、 人と地域を豊かにする都市設計に興味が広がり、その後の横浜での50年近い都市デザイン活動の展開につながった。
今、その横浜では、未来に向けた 「創造都市活動」 として、アートを出発点とした様々な領域のクリエイター誕生の仕組みが動いている。 その仕組みを通じて、 新しい文化・観光などの多様な地域ビジネスが生れ、 多くの新しい市民文化コーディネーターが誕生し、 横浜らしい地域発展につながろうとしている。
港の赤レンガ倉庫などの歴史的建造物や、 時代を経たオフィスビル、 鉄道交通施設などの中に、そして新しい美術館の中に、こういった創造的な活動を育む場が、 クリエイティブセンターやアートセンター、ギャラリー施設として生まれ、機能している。
鹿児島が再び、未来の活動と人を育む場となるために、鹿児島という個性ある空間の中に、様々な美術館やアートセンターなどの設置と、効果的な運営活動が必需と考える。 このようなクリエイティブセンター機能を持つ新しい美術館の設立を進めたい。
県民と美術をつなぐ
魅力あふれる美術館を
吉俣 良
作曲、編曲家
最近になって全国で県立美術館が無いのは鹿児島県だけだということを知り、同じ芸術家としてとても寂しく思います。 鹿児島県民にとって、今後の文化芸術の振興のためにも、県民と美術をつなぐ魅力あふれる鹿児島県立美術館が設立されることを切に願います。